寒くなってくると活躍してくれるのが、セーターなどのウール製品です。
しかしウール製品は普通に洗濯してしまうと、フェルト化という状態になり、縮んでしまいます。
僕もセーターとウールのパンツが縮んでしまい、これはもう着れないかも・・・と思っていたのですが、それを元に戻す洗濯方法があると知り、実際に試してみました。
どうやれば縮みを元に戻せるのか?どれくらい縮みを元に戻せたのか?ご紹介します。
縮んでしまったウール製品を元に戻す洗濯方法
縮んでしまった状態=フェルト化
そもそもなぜウール製品を普通に洗濯すると縮んでしまうのでしょうか?
ウールに限らずカシミアなどの動物から作られる繊維は、人工のものとは違って、スケールと呼ばれるウロコ状のものが表面にあります。
洗濯のときに水に浸かると、スケールが開き、ウロコが逆立ったような状態となります。この状態でグルグル動かすと繊維同士が絡み合い、フェルト化と呼ばれる状態になります。
フェルト化すると繊維同士が絡んだ状態ですから、結果として縮んでしまうことになります。
フェルト化したウール製品を元に戻す方法
フェルト化したウール製品を元に戻すには、人間の髪の毛と同じように、トリートメントによって絡まった繊維をほどいてやる必要があります。
このときに必要なトリートメントは、本当に人間の髪用のもので大丈夫です。
ただし、アモジメチコン(ジメチコン)という成分が必要であるため、それが含まれているか確認してください。
ノンシリコンタイプのトリートメントには含まれていない成分です。
実践!縮んでしまったウール製品は元に戻るのか?
縮んだ状態のウール製品
こちらは縮んでしまったセーターです。
身幅で状態を確認します。
最初の時点では48cmでした。
こちらは縮んだウールパンツ。
総丈で状態を確認します。
最初は89cmでした。
パンテーンの洗い流さないトリートメントを使用
今回使用したのはパンテーンのトリートメントです。
トライアル3点セットについている小さな容器の洗い流さないトリートメント(インテンシブ ヴィタミルク)を使います。
ちなみにトリートメントコンディショナーにはアモジメチコン(ジメチコン)は含まれていませんので仕様できません。
↓成分を確認してみましょう。
パンテーンの洗い流さないトリートメント(インテンシブ ヴィタミルク)の成分には、ジメチコンが入っています。
この成分がウール製品のフェルト化を元に戻してくれます。
トリートメントに漬け込んで乾かす
パンテーンの洗い流さないトリートメント(インテンシブ ヴィタミルク)を全量バスタブに投入し、お湯を5cmほどためました。
トリートメントを混ぜ溶かし、セーターとウールパンツを漬け込みます。
15分ほど経ったら裏返して再度漬け込みます。
合計で30分ほど漬け込みました。
軽く水気を絞ったら洗濯機で脱水1分かけます。
タオルの上に形を整えて起き、室内で平干ししました。
1昼夜経って、完全に乾いたので、状態を確認してみます。
こちらはセーター。
身丈が49cm(+1cm)に大きくなっています。
こちらはウールパンツ。
総丈が91cm(+2cm)に大きくなっています。
トリートメントに漬けてから乾かしただけで、すでに多少は縮みが元に戻っています。
アイロンで伸ばす
次に、さらに伸ばすために、アイロンをかけます。
スチームアイロンをかけながら手でウール製品を引っ張って伸ばしていきます。
トリートメントに漬けたおかげで繊維が解けやすくなっていますから、何度も徐々にアイロンをかけては引っ張ることで、伸ばすことができます。
ということで、セーターの方。
身丈が51.5cm(+3.5cm)まで大きくなりました。
こちらはウールパンツの方。
総丈は93cm(+4cm)まで大きくなりました。
結果
セーターの身丈は48cmから51.5cmとなり、3.5cm(両面で7cm)大きくなりました。
ウールパンツは89cmから93cmまで大きくなりました。
セーターの身丈 | ウールパンツの総丈 | |
最初(縮んだ状態) | 48cm | 89cm |
トリートメントに漬けて乾かした状態 | 49cm | 91cm |
スチームアイロンで伸ばした状態 | 51.5cm | 93cm |
セーターの方は十分に元に戻った感じで、ゆったりと着られるようになりました。
一方で、ウールパンツはまだ購入時の状態には戻っておらず、まだ短いです・・・。もう4cmは大きくなるといい感じなのですが。
それでもだいぶマシになり、また履けるようになりました。
まとめ
縮んだウール製品をトリートメントを使って元に戻す方法を実践してみました。
もう捨てちゃおうかなと思っていたセーターとウールパンツですが、縮みを(多少は)改善させることができたので、また使える状態になりました。
特に難しいことは無いのに、ちゃんと効果があるので、ウール製品の縮みでお悩みの方は一度実践してみることをオススメします。