漫画「天国大魔境」1巻の感想:謎とSFとコメディが盛り沢山【ネタバレ】

「このマンガがすごい!2019」のオトコ編第1位となった漫画の「天国大魔境」1巻を読んでみました。

1巻にして早々に1位を獲得してしまった訳ですが、ちょっと早すぎたというか、まだまだ今後の展開次第だよな~という感じもします。

それでも今後の展開を期待してしまわずにはいられない魅力の詰まった漫画です。

読もうか迷っている方、読み終わってこれどういうことだったの?という方に向けて、「天国大魔境」1巻の感想や考察をご紹介します。

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「天国大魔境」とは?

世界観・設定

「天国大魔境」は2場面構成となっており、1場面は閉鎖空間の孤児院か学校のような場所で、もう1場面はなぜか崩壊している未来の日本です。

閉鎖空間の方は約束のネバーランドあたりを連想してしまいますし、崩壊した日本はAKIRAを連想してしまいます。

そして崩壊した日本には謎の生命体(?)が跋扈しており、そのインパクトは寄生獣を連想します。

このように既視感というか、これまでにこういう設定あったよな~と思う世界観ではあります。

それでも、シリアスに傾きながら、ふっと力の抜けるコメディ色が出てきたり、SF世界を満喫しつつ、様々な伏線や謎が散りばめられていたりと、バランスよく盛り沢山という内容です。

今後の展開を期待せずにはいられない作品となっています。

「このマンガがすごい!2019」オトコ編で第1位

書店員さんなどがオススメする漫画をランキング形式で紹介してくれる「このマンガがすごい!」ですが、これに選ばれる漫画は確かに当たりが多いですよね~。

そんな「このマンガがすごい!2019」のオトコ編で第1位に「天国大魔境」が選ばれました。

1巻で早々に第1位となってしまったのは、それ相応の魅力を秘めているからでしょう。

「天国大魔境」1巻の内容・あらすじ【ネタバレ】

第1話 トキオ

場面は閉鎖空間の孤児院か学校のような場所です。学校ということにしておきます。

小学生くらいの登場人物たちは、一人ひとりが特殊な能力を持っているようです。

「今日はテストがあるよ」と予言するのはミミヒメ。

想像で変な絵を描くコナ。

数学のテスト中に「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受信してしまうトキオ。

何かを工作・発明しているシロ。

運動神経バツグンのタカ。

テスト中に外がどうとか言ったトキオに対して、ミミヒメは「僕が外に出たいなーと思っていると 外からふたりの人が僕をたすけに来てくれるの」と言い、「そのひとりの顔がトキオにそっくりなんだ」と続けます。

気になって夜も眠れなくなったトキオは外の外について考え出します。

外で園長先生に会ったトキオは外の外があるのか質問すると、園長先生は「ここより外はあります」とあっさり教えてくれますが、「あさましい怪物がうごめく 汚れた世界 地獄です」と言い放ちます。

第2話 マル

場面はその外の外と思われる、なぜか崩壊した日本に移ります。

荒れ放題になっている住宅地で食料を探すマルとキルコが登場します。

キルコはマルのボディーガードとして、マルの目的地を探しています。そしてそのついでとして写真に写る2人の男性を探しています。

夜になり空を飛ぶのは顔のない大きな鳥?

翌日、目的地を探して歩いているマルとキルコを強盗5人組が襲います。

しかし、キルコが銃を取り出して撃退します。

強盗たちが発したキーワード「天国」に反応し、キルコは「探してたんだ・・・天国」と言います。

マルとキルコの目的地は「天国」ということが明らかとなります。

第3話 キルコ

強盗たちにアジトを案内させるキルコ。

強盗の1人が「こいつら物心ついた時には世界が崩壊ってた「無法世代」ってやつだろ」と言います。

どうやら日本というか世界が崩壊してしまって20年ほど経っていることが分かります。

アジトについたキルコはマルに対して「どう?マル 何かピンと来る事は・・・」と聞きますが、マルは「なんにもない」と答えます。

目的地は「天国」ということだけが分かっており、それがどこなのかはマルにもキルコにも分かっていません。

強盗一味から「トマト天国」と呼ばれる場所があることを聞き、そこに向かってみることにします。

舞台は学校に戻ります。

車椅子生活をしているタラオは「ここより外はそりゃあるよ」とトキオに言います。先生達専用のドアの向こう側や、給食の配膳が下げられていく先、通気口の中など、生徒たちが入れない場所があることを指摘します。

頭の良いタラオですが、腕には謎の発疹が出ており、病魔に侵されている様子です。

タラオと分かれたトキオに対して、ククがコナからもらった絵を自慢します。ククも運動神経バツグンの子供のようです。

トキオはコナの想像するもの(絵)が好きなのです。

第4話 ”ヒルコ”①

そして再びキルコとマルの世界へ。

歩けないほど疲れた2人が見つけたのが営業中の八巣旅館。

2人で1泊12万円、しかもそれを安すぎない?という物価になっているようです。いくらなんでも悪いからとキルコは単3電池4つを旅館の女将さんへ渡します。

崩壊しているので当然といえば当然ですが、相当にインフレが進んだ世界のようです。

女将さんに探し人の写真を見せるキルコ。1人の名前は稲崎露敏(いなざきろびん)ということが判明します。もう1人は名前はわからないながら「医者」「先生」と呼ばれていた人物のようです。

風呂に入る前に、鏡で全身を見ながらなぜか様子のおかしいキルコ。

そしてまた新しい設定が明らかになります。

夜は怪物が出るという女将さん。人を食べる怪物が跋扈する世界になっているようです。銃も効かないその怪物について「僕ら・・・それ殺せますよ」とキルコ。

キルコの持つ銃(キル光線)と、マルの特殊能力で怪物と戦えると言います。

そして女将さんから出された食事を食べて、すっかり寝入ってしまうキルコとマル。キルコは体が動かず、何も見えないという夢を見て起きます。

外には怪物が現れており、女将さんが銃で戦っています。

マルを起こして怪物退治に外へ駆けつけます。

第5話 ”ヒルコ”②

複数のムチ状の器官を振り回しながら襲ってくる怪物。

キルコのキル光線でムチ状の器官を撃ち落としていきますが、あと1本のところで女将さんに邪魔されます。

怪物を自分の息子だと言う女将さん。

女将さんは怪物を殺せると言ったキルコとマルを守るためではなく、怪物の方を守るために、キルコとマルに睡眠薬を盛ったのでした。

息子を食べた怪物がその後は女将さんを守ってくれているため、怪物を息子だと信じているようです。

キルコとマルも、女将さんに危険がないというなら怪物を殺す必要もないかと納得しかけます。

と思ったのもつかの間、女将さんは怪物に殺され、食われてしまいます。

それを見て「あいつ殺してくる」と言うマル。怪物のムチを避けて懐に飛び込むと、体の表面に手を触れ、内部にある心臓を握りつぶします。

これがマルの特殊能力です。

第6話 タカ

トキオとミミヒメがボールで遊んでいると、「上から何か落ちて来たような気がして」とメメヒメが言い出します。

しばらくして、運動神経バツグンのタカが、メンテロボットを使って柱を登りだします。学校の天井付近まで登ったところから落下・・・。それでも無傷なタカ。

「またミミヒメの言う通りになった」とトキオ。

絵の上手いコナは赤ちゃんを描いています。それを見たククは「本当の赤ちゃんには顔が無いんだ だからコナの絵は変なんだ」と言うのです。

場面は変わってキルコとマルへ。

トマト天国へ行く道中の川を渡るため、船(イカダ)を作って乗り込みます。サメとかワニとかいないだろうね?と慌てる2人。

無事に渡りきってトマト天国へと向かいます。

第7話 トマト天国

トマト天国にたどり着いたキルコとマル。

ここが目的地なのかどうか、そもそも「天国」の場所も、そこで何をするのかも知らない状態です。

「心当たりは隠さず話してよ」と言うキルコに対して、マルは薬の入った注射器を見せながら「俺と同じ顔をしたやつが どこかにもうひとりいる」と言い、そいつを見付けて薬を打つことが目的であり、「天国」にはそいつがいるんだろうと予想しています。

ここで回想シーンへ。キルコのところにマルが来た場面です。

マルはミクラさんという女性に連れられてキルコのところへ来たのでした。会った途端に倒れてしまうミクラさん。体中には発疹(タラオのものと同じと思われます)が出ており、キルコに銃を渡して「これでマルを守って」と言い、天国に連れていってほしいと頼んで死んでしまいます。※厳密にはミクラさんは「て」としか言っておらず、キルコが天国?!と反応しています。

トマト天国の人たちに見つかり、移住希望ですか?と中へ案内してくれます。

トマト天国は草壁という夫婦が園長となって仕切っている様子です。最初に栽培に成功したのがトマトであり、トマトだらけだったことからトマト天国と呼ばれていることが説明されます。

夜になり出されたご飯を食べていると、住民の1人から「あんな竹早桐子さんだよなぁ!?電力車レースの!」と話しかけられます。「レース中に弟轢き殺して気が触れたなんてウワサもあったんだ」とも言います。

人違いで通すマル。

そんなやりとりの中、そばに積まれたダンボールのマークが目にとまります。それはキル光線の銃にも描かれていたマークなのでした。

曖昧な話を頼りに探しても「天国」は見つからないと悟ったキルコは、東京へ戻って、マルの素性や謎のマークを探ってみることにします。

トマト天国から東京へ行く船に乗せてもらった中、突然マルが「おねえちゃんが好きだ」と告白します。

するとキルコは、「僕・・・この身体は女なんだけど こっちの頭がい骨に入ってるのが・・・つまり脳みそが男なんだ」と言います。

「天国大魔境」1巻の考察【ネタバレ】

登場人物

まずは登場人物についてまとめてみます。

学校

壁に囲まれた閉鎖空間。

トキオ

数学のテスト中に「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取る。コナの絵が好き。ミミヒメから似ている人が外の外に連れていってくれると言われている。

ミミヒメ

未来を何となく予知できる能力を持つ。トキオと仲良くしているが、シロが好意を持っていることに気付いている様子。

コナ

想像で変な絵を描く。

シロ

何かを工作・発明している。ミミヒメのことが好きな様子。

タラオ

車椅子生活であり、発疹が出ており、健康ではない様子。

クク

運動神経バツグン。コナの絵が好き。

タカ

運動神経バツグン。高いところから落ちても無傷。

園長

トキオに外の外について質問され、外の外は存在するが地獄だと答える。

崩壊した日本(外の外?)

キルコとマルのいる世界。学校から見た外の外と思われます。

キルコ

ミクラが連れてきたマルにボディーガードとして「天国」を目指している。ついでに親友と先生(医者)を探している。ミクラに貰ったキル光線銃を持っている。

マル

「天国」を目指しており、同じ顔をしたやつに打つ薬の入った注射器を持っている。人食いの怪獣を殺すことのできる特殊能力がある。

ミクラ

マルのボディーガードをキルコに依頼して死亡。発疹が出ている。

稲崎露敏

キルコの親友。キルコが探している1人。

先生(医者)

キルコが探しているもう1人。

竹早桐子

キルコに似ている女性。電力車レースで有名だったが、レース中に弟を轢き殺して気が触れたというウワサがある。

学校と外の外との関係

2つの場面にはいくつかの接点があります。

トキオとマル

トキオはミミヒメから「似ている人が外の外に連れて行ってくれる」ということを伝えられています。

一方でマルは「同じ顔をしたやつに薬を打つ」ことが目的です。

絵柄的にもトキオとマルは似ていることから、それぞれのエピソードはトキオとマルを指していると思われます。

第7話の扉絵ではトマトを挟んでトキオとマルが描かれています。

タラオとミクラ

同じような発疹があります。死に至る重い病のようです。

ミクラは学校出身者である可能性が考えられ、その薬を発見し、学校に持ち帰ることをマルとキルコに託したとも思われます。

(それならなぜミクラは自分に薬を使わなかったんだ?という疑問も。手遅れ?学校の子供たちを優先した?)

ミクラが学校出身者であるとすると、一緒に居たマルもそうなのかもしれません。人食いを殺せる特殊能力を有していることも辻褄が合います。

そうなると、第7話で発見したマークは学校のものなのかも?

キルコの正体

第7話の最後で身体は女だが脳みそは男だと判明したキルコ。

それまでにも、

  • 鏡に写る自分の裸に見惚れている
  • 頭を縫った跡(手術痕)がある
  • 何も見えない、動けないという夢を見た

というシーンがあります。

さらに、見た目は竹早桐子にそっくりであることや、竹早桐子は弟を轢き殺してしまったというエピソードから、姉である竹早桐子の身体に弟の脳みそを移植したのではないかと考えられます。

そうすると気になってくるのが、本当の赤ちゃんには頭がないというククの話です。

学校では頭のない身体だけの赤ちゃんが生産されており、そこに脳みそを移植しているのかも?

そうするとその脳みそはクローン技術で作られている?

トキオ=マル=クローンという可能性が考えられます。

ミクラやタラオの発疹はその技術の副作用的なものなのかもしれません。

タイトル「天国大魔境」の意味とは?

「天国」はマルの目的地であり、学校のことを指していると思われます。

一方で学校から見た外の外は「地獄」と呼ばれており、それなら天国と地獄なのではないかと思われますが、外の外=「大魔境」としているのだと思われます。

ただ、学校がクローン生産地だったとすると、そこが本当に「天国」なのか?そっちこそ地獄なのではないか?という話も考えられます。

「天国大魔境」1巻の感想

謎の多いSFということで、あらすじはとても書きにくいですね~。

このマンガがすごい!2019のオトコ編の第1位に選ばれたわけですが、1巻しか発売されていない状況ではちょっと早すぎた感じもあります。

それでも選ばれたのは今後に期待せざるを得ない魅力があるからだと思います。

多くの伏線や謎も気になるところですが、個人的には、色々な要素の詰め込み・混ぜ感がすごく良いなと感じました。

特に、話の内容によってはシリアスな路線に突っ込みがちになるところで、ふっと入れてくるコメディ要素はめちゃくちゃ上手いです。

また、キルコやマルをはじめ、学校の中の生徒たち等の登場人物もキャラ立ちしており、魅力的な人物像に仕上がっています。

ここから物語が加速していくのか、風呂敷を広げただけに終わってしまうのか、2巻にも注目が集まりそうです。

2019年に大注目のマンガの1作品になることは間違いないです。

▼未読の方はぜひ。

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