「財布でひも解く江戸あんない」いずみ朔庵著の感想:マンガと文章で江戸を学べる!【ネタバレ】

財布でひも解く江戸あんない

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先日、江戸東京博物館に行きました。巨大な箱物と中身の展示物は面白いのですが、見せ方が悪いのか、ごちゃごちゃしていてあまり満足できませんでした。

江戸がどういう時代だったのかもう少し勉強してみたいと思い、手にしたのが本書です。マンガと文章で気楽そうだと思い、読み始めました。その通り、2夜で読み終えました。

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「財布でひも解く江戸あんない」の超簡単まとめ

本書の目的

江戸時代の”お金”に中心にして、江戸時代の貨幣価値や、文化、人々の暮らしに迫ります。江戸に「行ったつもり」になり、お金を「使ったつもり」になって江戸時代を実感しようとするのが本書の目的です。

あらすじ

ある居酒屋に謎の江戸バイザーUME(ウメ)が登場します。

居酒屋に居る様々な人たちが、それぞれの目的を持って、江戸にタイムトラベルします。江戸への小旅行を通じて、本書の目的を果たしていきます。全8章です。

本書をオススメしたい人

とにかく手軽で分かりやすいです。各章の導入部にマンガが数ページ入っているのも読みやすくて良いと思います。ということで、以下に挙げる人にはオススメしたいです。

  • 江戸時代に興味を持ち始めた
  • 江戸時代の物価や貨幣などに興味がある
  • 文章だけの本は嫌だ、すぐ飽きてしまう

「財布でひも解く江戸あんない」の主な内容

各章のあらすじと面白かった点についてご紹介します。

第1章 長屋にホームステイ

家具職人の一(はじめ)さんが江戸時代にタイムトラベルします。

江戸の庶民が住む長屋での暮らしの様子が分かります。家賃や食費、生活必需品、銭湯などです。長屋とはどんな構造になっていて、家賃はいくらくらいだったのか?主食のお米やおかずはどうしていたか?いくらくらいだったのか?などなど。

また、両替についても話題にのぼります。これは知らなかったので勉強になりました。江戸時代には「金・銀・銭」の3種類ものお金があったそうです。庶民の日々の買い物では「銭」と使います。今で言う、百円玉や10円玉な感じです。

今と違って通貨の流通量が少なかった江戸時代には、いきなり1万円札のような1両小判(金)を出されても、お釣りが払えない場合が多かったそうです。なので1両小判(金)から「銭」に両替します。両替商は手数料を取るので莫大な富を築いていくことになります。

第2章 江戸で遊ぶゾ!

男女2人が江戸時代にタイムトラベルします。到着した早々にケンカ分かれするので、女編、男編というように、前後半に分かれています。

女編では、町に繰り出してショッピングです。櫛などの装飾品や、着物、化粧道具などが登場します。その後は料亭にも行きます。結構お金使ってます。

櫛は庶民と金持ちで持っているものが違います。庶民は動物の骨などで作った安物(760円ほど)、金持ちの商家の娘はべっ甲の櫛で50万円ほどもしたようです。

面白かったのは、現代の100円ショップならぬ、三十八文見世という三十八文均一のお店があったことです。三十八文はだいたい760円くらいです。その他、四文、十三文、十九文のお店もあったとか。

男編では、意気投合した江戸っ子とともに、遊びと称して、見世物小屋に行ったり、居酒屋に行ったりします。そして吉原に行こうとしたときに、途中で腹痛を起こし、財布も取られるという散々な目にあいます。

第3章 吉原、行ってもいいですか?

宝くじに当たったという拓哉さんが江戸時代にタイムトラベルします。

前の章では行けなかった吉原に行くことになります。江戸といえば吉原を抑えておかなければということでしょう。

吉原では最上格の花魁に会いにいきます。しかし、初回は顔合わせだけで、宴会をして終わりになるそうです。それでも費用はなんと100万円。そして翌日も登楼しますが、やることは同じ。また100万円!

そして三回目の登楼でいよいよ「馴染み」となり、一夜を過ごすそうです。

さすがに、大名や金持ちの商家の相手をしていた花魁レベルはすごいですね。

第4章 歌舞伎役者に会いにゆこう

母親を探しに来た女子高生の葉香ちゃんが江戸時代にタイムトラベルします。

金持ちの商家に居候している設定で、商家の娘とともに、歌舞伎を見に行きます。

歌舞伎は金持ちから庶民まで幅広い人気を誇ります。席もピンキリで、食事付き5万円の良い席もあれば、庶民用の数百円の席もあります。客をより多く入れるために、舞台の横に席を作ったり、役者の声も聞こえないような2階奥の席を作ったりしたとのこと。それでも満員御礼だったようですから、当時の人気っぷりが伺えます。

当時のトップ歌舞伎役者で年収1億円だそうです。今の歌舞伎役者は、歌舞伎だけだとそんなに貰ってないでしょうが、テレビ出演・CM出演でもっと稼いでいますね。

第5章 使うより稼げ。ワーキングホリデー

失業中の正臣さんが江戸時代にタイムトラベル。江戸で稼いで現代にお金を持ち帰ろうという魂胆です。

元手を金貸しに借りて、食べ物を売り歩く商売をします。江戸時代はコンビニもありませんし、車もないので遠出できません。そうすると家の近くまで食べ物を売りに来る商売人から納豆や豆腐屋おかずを買って食べていたそうです。

そんなに仕事が楽々とあったのか分かりませんが、朝から豆腐売り、野菜売り、お昼を過ぎてかりんとう売り、夕方に猫のノミ取り、苗売り、夜に卵売りと働きまくります。2日働いて5万円以上稼ぎました。

面白かったのは、夜越の金は持たねえと言いますが、江戸っ子は典型的なその日暮らしだったそうです。というのも、江戸では家事が多発しており、火事が起これば周りの家々を壊して延焼を防いでいました。そのためお金や家財道具はほとんど持たずに、すぐに逃げられるようにしていたからです。

第6章 骨董屋の野望

骨董屋の娘である芽里さんが江戸時代にタイムトラベルします。

江戸時代で骨董品を買って現代に戻ってこようという魂胆なのですが、元手がなく、物々交換のわらしべ長者をしていきます。

江戸時代はリサイクルが進んでいたとよく言いますが、先進的な考え方があった訳ではなく、単にモノが不足していたためリサイクルせざるを得なかったというのが現実なようです。

最後には浮世絵師の書き損じを大量に貰って現代に持ち帰ります。

第7章 武士に憧れています

役者の雄司さんが江戸時代にタイムトラベルします。

ひょんなことから武士の伊助さんに出会い、武士の生活の様子が分かります。下級武士は給料だけではやっていけず、様々なアルバイトをして生活していたそうです。

実は伊助さんは赤穂藩の武士で、かの有名な赤穂浪士の吉良上野介宅に討ち入りして終わります。

第8章 捕物帖!手柄を立てたい

大学生の六田くんが江戸時代にタイムトラベルします。

鬼平に会って一緒に悪人を捕まえたい!という希望だったのですが、UMEさんの手違いにより真逆の悪人側の一味となってしまいます。

牢屋の話、博打の話などが出てきます。特に博打の話は興味深く、賭博は幕府に禁止されていたが、寺社の縁日などは境内での賭博が黙認されていました。そのため、賭場を開くことを「開帳する」、賭場の利益であるあがりを「寺銭」と言ったことがそのまま残っています。

最後はお縄になり、現代に帰ります。

まとめ

江戸時代の文化や生活、そしてお金にまつわるアレコレについて、気軽に読める本でした。マンガと文章のテンポが軽く、1日か2日で読めます。

江戸時代について気になる方はぜひ。

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