「ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」の感想

ロケット・ササキ

日本の偉大なエンジニア・経営者といえば、本田宗一郎や松下幸之助、井深大、盛田昭夫あたりを思い浮かべますが、佐々木正という方は知りませんでした。しかし、ジョブズが憧れ、孫正義が感謝し続ける人ということでとても気になったので本書を読んでみました。

1日で一気読みできる軽快さと面白さです。一方でその正確性には疑念もあるようなのですが、エンタメ作品として、話のネタとしてはオススメできるものでした。

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元シャープの伝説のエンジニアを描くエンタメ作!

ロケット・ササキは万人にオススメできるエンタメ作品でした。シャープにおいて電卓戦争に活躍するところはエンジニアには熱いものがあり、ジョブズや孫正義へも影響を与える凄さは爽快です。

エンジニアから文系の人まで幅広くオススメ

シャープ、エンジニア、電卓競争、LSI・・・と聞けば理系の堅い話かと思いきや、本書は技術的な話は最小限に留めつつ、電子立国日本の歩みの中で佐々木正がどのような役割を担ったかをエンタメ作品として描いています。

エンジニアとしての観点からは、技術は独占するのではなく、他の人に聞いたり教えたりしあって「共生」するものだという、今でも通じる先進的な考えを戦後当時から持っていたことに感動せざるを得ないと思います。また、電卓の発明後に、シャープとカシオによる小型化・安価化の競争は熱い思いがこみ上げます。エンジニア魂を持ちつつも、その人に直接いきなり電話しちゃうの?!みたいな欧米人とのフランクな繋がりは日本人技術者に欠けている要素かもしれません。

文系の人でも、ジョブズや孫正義といった身近な有名人が登場してくることや、技術的に難しい話が出るわけでないことから、楽しく読めると思います。歴史的にこういうことがあったと知れて勉強になります。

ロケット・ササキと呼ばれる所以

佐々木正は、戦闘機の速度では彼に追いつけないということから、ロケット・ササキと呼ばれるようになったというアメリカのエピソードはすごいですね。

シャープの技術担当幹部になった際も、佐々木さんに聞けば何とかしてくれると言って技術者たちが列をなしたそうです。問題・課題を聞くとすぐに、それは某社の某さんに聞いてみるといい、それは海外のAさんにあっちが朝になったら電話してみよう、といった具合に豊富な知識と人脈で解決していったというから驚き。今、日本にはそのような人がどれだけいるのだろうか?

また、「共生」の観点は佐々木正だけでなく、シャープ創業者の早川徳次にあったそうです。松下電器から公演を頼まれた佐々木正が、さすがに断ろうかと早川徳次にお伺いを立てたところ、「隠すことは何もない。そんなことで潰れるシャープではない。」と言ったというところは度量の広さを感じさせます。

しかし、彼ら重鎮がシャープを去った今となっては、液晶事業の失敗による多額の損失、ホンハイによる買収など、とても寂しいものです。

ジョブズ、孫正義へも影響を与える偉大な人

佐々木正はジョブズや孫正義にも多大な影響を与えました。

ジョブズの登場するシーンは爆笑ものです。当時ヒッピーだったジョブズは相当汚い格好をした無礼なアメリカ人だったようです。事業に行き詰ったジョブズが、わざわざ日本まで来て佐々木正に教えを請うたというから凄いですね。

孫正義が若かりし頃に、佐々木正を頼ってシャープに来て自動翻訳機を売り込んだそうです。モノそれ自体よりも孫正義という若者が面白そうだと思って資金を提供する件も、佐々木正のエンジニアは日本・世界のために働くんだという信念によるものだと思います。孫正義はそこで得た資金によって、今のソフトバンクまで成長させていくのです。

まとめ

知らない人も多いと思いますが、佐々木正は歴史に残る偉大な人です。エンタメ作品として楽しさ十分ですので、休日何か読書したい!と思い立ったときに読んでみてはいかがでしょうか。

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